★ショート・ショート★★
★ショート・ショート★★
親の権威とか、社会の上下関係といったようなものを彼女はあまり信じていないようでした。
その意味でクリスティーヌは、フランスのある世代の典型的な申し子です。
世界中に余波を巻き起きした六八年の五月革命。
あの頃に若者だった世代は、日本でいえば団塊の世代にあたります。
フランスでは「六八年世代」と呼ぼれ、それに先立つ世代とも、またそれに続く世代とも一線を画したちょっと特殊なかたまりです。
一口にいってしま、兄ば彼らの多くは一生、若者でいることを選択した人々だ。
「物分かりのよい大人」であることをよしとする彼らは、若者と同じ言葉を話し、若者と同じ地平に立ち続けようとする。
生涯、腕白であり続けようとする彼らは、いったん理想に裏切られたことによる苦い思いをどこかにかか、兄ながら、相変わらず、少し青く、リベラルです。
たとえ表面的には部長の椅子におさまってデスクトップ仮想化な様子を醸し出していたとしても、心のどこかに彼らは自負と気恥ずかしさを隠し持っているーそんな世代にクリスティーヌは確かに属していた、それも大いなる誇りを持って・・・。