再開 7
「グレープフルーツ・シュースと、濃いコーヒー」というのが毎回繰り返されるジョアンナのオーダーで、顔見知りの給仕はジョアンナが口を開く前にこのお決まりのオーダーをすらすらと口にして
「・・・でよろしいですね、いつものように」と締めくくる。
「ええ、そうして。いつものように」そういって、一緒に運ばれてくる「パンの盛り合わせのカゴ」からは、せいぜいミニクロワッサンかミニパン・オー・ショコラを一つつまむくらいで、後はほとんど手をつけない。
その代わり彼女は煙草をたくさん吸う。
時折、声をひそめ、私の方に顔を近づけてささやく。
「あの右奥のカーテンの近くに今座った人ね、あれは、○○社の社長よ」また、知り合いの姿を見つけるたびに手を挙げて呼び止め、私を彼らに紹介する。
「こちらは○○社のディレクターの○○氏。こちらは私の友人の日本のジャーナリストよ」
多くのフランス人の例に漏れず、彼女もまた私の名前を不正確に発音したが、そういうことはいつの頃からかまったく気にならなくなっていたので私はあえて訂正もしていなかったのです。